前回の続きです。他者の発言に責任を持てないので引用して批難はやめようね。
4.最終日
筆者は最終日という言葉を使わない理由は明確に狼利だからです。というと語弊があるかも知れません。状況次第ではありますが、ほぼ標準的な長期人狼ではこの状況に合致します。
・進行面
決め打ちの場合に最終日が適さない理由は48日目の記事「信用勝負の最終日進行は安定しない」で書いてるので良かったら読んでみてね。
・楽勝を目指せ
野球ではピタゴラス勝率という指標があります。ピタゴラス勝率とは得点と失点で予想勝率を予測する計算式でピタゴラスの定理に数式が似ているからピタゴラス勝率と名付けられてます。
これは得点と失点が勝率と相関があり、言葉に表せば簡単で「沢山点数が取れて失点が少ないチームが勝ちやすい」というゲームの性質があります。
観戦者としては、サヨナラゲーム(最終回に逆転勝利すること)であったり終盤の競った場面でのハラハラドキドキする展開は面白いですよね。
でも強さを目指してたり、高い勝率を目指す場合にはこれらの勝利は「勝利の中では下の下」なのです。(強さの定義を勝率とするのであれば)
殆どのゲームに当てはまる事で「利益を最大化し損失を最小化する」 (得点を増やし失点を減らす)これを強くなる事で考えなければならない事です。
となれば、強さとは必然的に楽勝(私はイージーウィンとも言ってたりする)が増えて来ます。ここで勘違いしないで頂きたいのは、大敗が増える訳ではないです。
勝負の内訳が中級者(大勝・辛勝・惜敗・大敗)から上級者(楽勝・大勝・辛勝・惜敗・大敗)の内訳になります。勝率があがってますね。
楽勝を目指すとなると、必然的に最終日は目指さないですよね。
・真狩ゲーが利益の最大化
※真狩ゲーとは真占い師を狩人が守り続けて、占い判定で狼を詰ませて村陣営が勝利する村の事。
筆者が最速を目指す理由の1つが「長期人狼で初日占い師が稀」だということ 。かなり特殊なレギュレーションの村でしか発生がなく、殆どの村では「必ず生存する真役職」が存在して「それを連続で護衛できる狩人」が存在しています。
身も蓋もなく言えば、この時点で村有利のゲームだと思ってますし、狼をこの有利な盤面を全力をひっくり返すゲームだと思ってます。
この村の最強カードを最大限利用しない手はないし、判定の質を上げるには「出来る限り負け筋を減らすために狼の有力候補に判定処理をさせる必要があります」
それなのに寝そべって襲撃されて考える。襲撃された方が真だよと言われても、困ります。勝率が高いプレイヤーを目指すなら有利な盤面を不利な盤面へと覆されないようにするべきです。
①真狩ゲーを最優先に目指す事が利益の最大化
②限られた判定を最大限有効活用すべき
これらの事を考えたら言うまでもなく初日や2日目くらいまでは勝負の要であり、最終日は村にとっては敗北に近付いてるのです。この前提は長期人狼の通常のレギュレーションで覆る事はないでしょう。
・ 推理の質にも影響する。
27日目の「 30点の考察を書く」でも触れたように
他の人が触れてくれたり、修正する機会などで、早く出す方が様々な反応が得られるため、結果的に推理の精度が良くなります。
逆に最終日まで持ち込んだ場合、疲弊し過ぎるし、修正してくれる村人の数も減っているのでバイアスのまま突っ込んだり。情報が多ければ良いという訳ではありません、その考察の中には間違えであったり質の悪い考察が含まれてる場合もあり、間違った選択肢が増えれば、正しく判断するのはより困難になります。
また周りの人への推理にも影響力を与えます。推理しやすい環境というのは、質の良い情報が落ちてたりします。かなり有力な村人の情報が出れば、それだけで灰の見る数が減り精査しやすくなりますし、黒判定が出ればその情報を下に議論しやすくなります。
最終日に向かう事は、村全体の戦力を下げてますし(推理の質を下げてるため)議論の質を下げ、間違った判断を下す材料を増やし(疲弊とノイズの混ざった複雑な選択肢)狼の襲撃の自由度を与えます。
最終日に向かわないという(最終日進行が安定しない)のは狼の襲撃という武器を防ぐ手段として有効なのです(最重要ポイント)
・最終日進行に向かわない事によるデメリットについて考える
利益を最大化して損失を最小化する上で避けて通れないのはデメリットの存在でしょう。メリットがデメリットを大きく上回らなければ行けないのですから。
恐らく早期の決め打ちを忌避する理由の1つにロッカーの存在でしょう。彼らの滅ぼして来た村を見て彼らが推理を間違えたせいだ!と考え、それを防ぐ方法としてこのような主張が一見合理的と考えられて来たのでしょう(※損失回避性バイアス:損を過大評価して忌避する感情のこと)
これらの主張には一理はあります。安易な決めつけを行い、確証バイアス(※自分にとって都合良い思い込み。自分の論を正当化するために自分の都合の良い論だけを採用して、否定する論を否定する)に陥ってしまっては元も子もない。
確証バイアスというデメリットに向き合って行かないといけません。
自分の非を認められない人はこの確証バイアス傾向に特に陥りやすいので注意が必要です。 30点の考察でも触れましたが修正ありきなのです。(この確証バイアスのデメリットを持つ人は慎重になる必要があるでしょう)
もし確証バイアスに陥ってる人が居たら、早期に改善を促しましょう。むしろ改善できるタイミングなら負け筋を1つ減らせたと喜ぶべきです。仮に最終日まで進行してたとしても勝てた保証なんてどこにもないのですから。修正できる人が墓下に落ちてからでは手遅れです。
進行面での信用勝負の最終日進行は安定をしないを読んでくれたのであれば、説明は不要かと思いますが、灰の決め打ちにしろ占い師の決め打ちにしろ、遅らせたら勝てたなんて保証はどこにもないのです。それは進行面の問題ではなく、相手の良かっただけの話。
もう1つのデメリットは推理をすることで、間違える事でしょう。
本当に良くないのは、推理しない事なのですが、 判断を無為に遅らせ、縄を無駄に消費し、推理をしない傾向にある人ほど推理を間違える人を非難する傾向にあります。(無駄な浪費は気が付きにくいミスで、明らかな推理のミスは目に見えるミスだからです)
何はともあれ、 口先だけで行動しないプレイヤーでしかも推理しない訳ですから当然ながら上達もしない訳ですが、残念ながら無視できる存在ではありません。
誰しも推理は間違えますし( 必ず当たるなら人狼ゲームになってません)間違えたという結果が発生すれば、盤面としても狼有利に傾きます。
それならば、疑われる理由の1つには当然なるでしょう。 その際は素直にミスを認めて修正に尽くすべきでしょう。しかし必ずしも吊られる訳ではないですし、そもそも人狼ゲームなんて推理を外そうが当てようが理不尽に疑われるゲームです。気にするだけ無駄でしょう。
あくまで疑われる理由の1つになるとは思う。という話
デメリットはまとめると
①確証バイアスの危険性
②疑われるリスク
よくある勘違いには
①推理の精度があがると思ってる(実際にはノイズも多くなり判断力の高い人も襲撃で落ちるので実際には落ちてる)推理の精度に関しては、先ほどの通り。修正が効く分質の良い議論がしやすい。
②早期の決め打ちは大勝か大敗のイメージ(実際にはただの1縄損でしかない)
序盤に推理を間違えたとしてもまだ負けてない。 つまり序盤に真狩ゲーを目指して役職推理に励み黒判定を得ようと灰考察をして結果間違えてしまっても、純灰勝負になるだけです。
ですから襲撃を見てから考えようとか、判定を増えてから考えようと両立できるんです。
従来の勝ち方に、新しい勝ち方が加われば、ただ純粋に勝ち筋が増えて、負け筋が減らせる。メリットがデメリットを完全に上回っているのです。
結論を言えば、最終日とは下振れた結果。結果的に迎えてしまうものであり、目指すものではない。ということです。
・戦力吊りの是非
全面的には否定しません。寡黙であまりに情報を落とさない人で要素を落とす見込みもないので、整理吊りを行わざる得ない場合もあり、そのような不運で結果的に最終日に持ち越す事になってしまうのは、防ぎようがないので受け入れるしかありません。
しかし最終日に判断を任せたくないから村でも吊るみたいは考えはどうでしょうか?
まず灰が序盤の方が狼の比率が少ないので、狼を吊る確率は最終日よりは低いです。しかし1縄でも多くの狼候補を処刑した方が狼を吊る可能性は高いです。(1回より2回チャンスある方が良い)
そもそもそういった考え方が議論の質を下げて、全体の戦力を下げているのです。更に襲撃で判断できる落とされる人も居るのに、村の戦力に足りないと、自分の推理をしていないという目に付かないミスを軽視して、更に大きくミスしそうな村人を吊り上げる。
村の足を引っ張りそうな人を吊っても、全然戦力アップしないですよね?思考の統合性が取れてなく感情論で矛盾してて無茶苦茶です。
よく村の外から見てた人と内側で吊りたい人の考えが異なりやすいのは、これらが一因にあるでしょう。村の外の方がこういったノイズに引っ掛かりにくく、村の内側の人が終盤までの事とか色んな考える要素に足を引っ張られます。村の内側の気持ちがわからない人に言われたくない気持ちは理解しますが、外側の人がバイアスやノイズに引っ掛かってない可能性が高く、自分のミスの要因を発見する手掛かりとして利用しても良いかも知れません。
・まとめ
①どんなゲームでも最終的には利益の最大化と損失の最大化を目指すよ
勝率が高い人が強い人なら楽勝を目指そう。競った勝負に強い人も世の中にはいるけど、色んな条件が混ざるので紛れるし、全然勝ちに再現性もなく安定しないよ
②長期人狼は真狩ゲーなのでこれを目指す。
時々G16より少人数なら短期決戦みたいな意見も聞きますが、それならG16の戦略を見直すべきです。判定が出るタイミングも襲撃が始まるタイミングも同じです。有利盤面を利用すべき
③推理の質をあげる事で全体バフの効果
全体バフのスキルは強いです。真が黒引き1つで議論が加速して、同じ情報を共有することでコミュニケーションも取れます。
④確証バイアスには気を付けよう。
自分の非を認められない人は、安易に決め打つ方向に向かうのは注意が必要。修正ありきだという事を気に留めること
⑤推理をしないのは気が付きにくいミス。推理して外すのは気が付きやすいミス。
気が付かないミスをし続けて、気が付くミスをする方が反省しやすく成長も早いよ。 だから間違えてる人を笑ってはいけないよ。笑っていいのは、口先だけで行動せず役に立ってる訳じゃないのに、推理を間違えてる人を笑ってる人だよ
そこに言及する発言もあったのでログを貼っておきます。
最初は当然失敗の方が多いですが、めげずに頑張って欲しいと思います。最後にもし⑥を付け加えるなら筆者が最終日という言葉をあえて使わないのは「上手くならないから」です。確かに安定して惨敗を避けれるかも知れません。ただそれだけです。勝ち筋が増える訳でもなく、ただ勝ち筋を減らすだけです。そして推理することを諦め緩やかに停滞することを選びます。それは面白くない。
人狼をはじめた理由は人それぞれでしょうが、人狼ゲームの魅力の1つには推理が楽しいからと言った部分があると思います。そういうゲームの楽しさを忘れずに初心に振り返って欲しいし、より推理の楽しさを広めたいという筆者の考えもあります。
・余談
このスタイルを谷川浩司十七世名人に倣って「光速流」などと言ってましたが、狼の襲撃の武器を封じるのが最大の理由なので、もっと適切な言葉があるかも知れません。
最終更新日:25/03/22
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