2023年4月20日木曜日

65日目:人狼ゲームでは自身が下手という不都合な真実を隠してくれる。

挨拶

お久しぶりです。実は投稿はお休みしてました。今年初めての投稿になると思います。これは怪我などの理由になります。無事に治り、ネタが思い浮かばなかった訳で中々書く機会がありませんでしたが、なんとかネタを捻出していきたいと思います。

■1.今回のテーマについて

人狼ゲームは「不完備情報ゲーム」である。不完備情報ゲームでは、手札や役職や勝利条件が異なったりなど、プレイヤー毎に持っている情報が異なるゲームの事を指す。

将棋や囲碁などの古典的なゲームは完全情報ゲームとなる。

■2.運の要素

不完備情報ゲームの特徴として、配られたカードに有利不利があったり、偶然の要素を含む事が多い。将棋や囲碁で初心者が名人に勝つ事はまず不可能だが、人狼ゲームで初心者が上級者に勝てるチャンスはいくらかあるだろう。これらはいくつかの偶然の要素が絡むからである。

■3.不都合な真実

運の要素が含まれるという事は、良い面では初心者でも野良村に混ざり活躍出来て楽しめるという点と、下手のままでも勝ててしまうという点である。

無論、各々が自由にプレイすれば良いとは思うが、もし安定した強さを手に入れたいのであれば、いくつかの不都合な現実と戦わなければならない。

■4.推理には偶然が含まれる。

占いなどのシステムにより確定する以外の推理には偶然が含まれるということ。精度だけではなく、要素の見落としや、推理小説では都合よく誰かの発言から推理のヒントを貰うかも知れない。しかし、それが都合よく発生するとは限らない。

また狼から見ても、全く根拠のない説だとしても、その正当性はグレランで当たる確率に収束し(6灰2狼なら、どんなに適当な推理をしても1/3は被弾するということ)理不尽な処刑を受ける事は免れない。

■5.短期的には運の要素が大きく分散が大きい。

ここで言う短期とは短期村という意味ではないが(短期村は少喉村はより分散が大きくなる)数戦の対戦では実力を測るのは困難だと言える。

この事実は、村での出来事が偶然の影響が大きかったにも関わらず、自分のおかげで村を勝たせてしまったかのような錯覚をもたらしてしまう。

■6.正解がわかりにくいゲームである

何が正しい動きなのか?特に狼で言語化できるプレイヤーは限られるだろう。怒鳴ってれば、相手が萎縮して上手く行く環境で育ったプレイヤーなら、声の大きさと答えるかも知れない。しかし、それが周りのレベルの低さに依存した正解の1つに過ぎず、ある程度の環境では全く通用しないだろう。

一方の環境では不正解であっても、レベルの低い卓では正解である。傍から見たらどちらも低レベルなプレイヤーではあるが、間違ったプレイを正当化して楽しいと思えてしまうのも、このゲームの魅力の1つである。

■7.上達のしにくいゲームである

もし人狼の環境が合わないと思うのならば、それは当然だ。下手のままでも環境次第では通用してしまう戦術は山のように転がってるし、分散も多い。

多くのプレイヤーは自らが下手である事を理解すらしないだろう(何故なら適当に推理したって当たってしまうんだから)嫌な思い出があっても成功体験で覆い隠してくれる。

少喉村や短期村なら、尚更当てずっぽうであっても、いつかは当たり、それを偶然の力だと認識できない多くのプレイヤーから称賛を受けるだろう。 

この発言には毒があるので、人によっては批難を受けるかも知れないが、もし長期人狼でプレイしているが、短期村に流れに付いて行けず抵抗のある人は、何を難しく考える必要はない。手順やセオリーを覚える必要はあるが、適当で良い。他の参加者も深く考えていないか、勘が実力だと思い込んでるだけだ。

■8.目的

今回のテーマは単に、人狼という不完備情報ゲームが、俗に言うただの運ゲーで、運を実力だと勘違い出来る人に合うゲームであるとか、上手いと思ってる人のスキルも相手の未熟さに依存してるか、分散による影響であって、実は良いスキルでもないとか、そういう話をしたい訳ではない。

これらは現実的な考え方を嫌う人々にとっては不都合な真実ではあるが、長期的に勝ちを目指す人にとっては受け入れなければならない現実である。 

ゲームの本質を理解し、正しい思考を持つ」ために必要な事である。 

正しい思考を持つことに対して様々な困難が待ち受けている。それらの困難を1つずつ解消していくのが、今回の目的である。

■9.自尊心を捨てる

不完備情報ゲームでは、正しい判断や決断、推理を発揮するには、正しい思考を持つ事が大事である。しかし話した通り、理不尽な疑いを受けたり、あるいは推理の批難を受けたりすることがあるだろう。それだけに収まらないプレイングも発生するだろう。

しかし、これらの現象はゲームの本質から考えれば自然的な現象であり、これらで感情を乱していては、いくら正しい技術を見つける事に成功しても発揮することが出来ない。

下手なプレイヤーを見つけては、舐めてかかるかも知れないし、恨みを持った相手にはなんでも黒く見えてしまい推理力を大きく鈍らせたり、ミスに対して取り返そうと躍起になったり、弱いプレイヤーに必要性のない批難をぶつけてしまったり。

これらの感情(怒りとかプライド)は推理能力や狼での状況判断等、様々な判断力に必要は思考を邪魔してしまう。

散々述べたように、多くのプレイヤーは「不都合な真実が隠れてるからこそ楽しく遊んでるプレイヤーが殆ど」である。

冷静に考えれば、「相手が上達しにくいゲームをやっているのだから、自らが上達すれば、他のゲームと比べて実力差を発揮しやすいゲーム」である。

彼らのプレイがゲームの本質だと理解して、対策する。ビジネス的に考えて、勝ちを拾いやすい相手。自分が勝者であるために必要な存在と思うべきである。

■10.学習のサイクルを継続的に繰り返す

推理というのは、偶然の域の出ず、1回や2回で正しい判断であったかの結論を下すのは分散が大きく難しい。時には体系化された知識から学習したり、実践を繰り返す中で少しでも確率の高い正しい判断を下すために、どうしても継続的な学習が必要になる。

途中で偶然上手く行って、自己満足して中断してしまったり。自分が強いと言われたりして極めたという幻想を抱いてしまったり。あるいはそれによって情熱を喪失したり

あるいは短期的に不運が続き、自分は何をやっても上手く行かないという停滞感を感じてしまう事もあるだろう

これらの壁にぶつかれば、5戦のプレイヤーと100戦強のプレイヤーに何も差はない。分散の影響により称賛されては、ドヤ顔し、時々失敗したら相手にやられたと言いながら、時々起こるまぐれの勝利のために村を消化し続けるだろう。

■11.まとめ

今回の話は、賭けの考え方という、勝負師であるなら持っていて欲しい思考法の中から抜き出して書き上げました。不完備情報ゲーム(人狼ゲームや麻雀やポーカーなども含む)では様々な感情が正しいプレイを邪魔してきます。

それらの「感情を取り除くための、まず最初の一歩が現実を受け入れる」という事だったのです。

人狼ゲームに限らず、不完備情報ゲームではトレンドであったりセオリーというのは流行りもあったり日々変わっていく物です。必要な技術であっても、今こうしてる間にも誰かが新しいことを研究しています。正しいプレイや技術的なスキルやセオリーが変化しても

正しい思考法であったり、感情に左右されない考え方というのは、「あらゆるゲームに必要な知識であり、普遍的な知識であり、永久的に使える技術」です。

不完備情報ゲームを遊ぶのなら、是非知って欲しい話だったので、書かせて頂きました。

今回は新年一発目で久々の投稿で何かいたら良いのか筆が動きませんでしたが、今回はここまで。感情に左右されずにプレイする話はまた続編を書くとは思います(今回でまだ序章)。それではまた

最終更新日:23/04/20

77日目:白取り推理はあまりしない。

 あえて使わない用語の続きにしても良かったのですが、白取り考察自体は普通にするので、あまりしないという題にしました。 ■1.前提として ■2.白取り考察の危うさ ■3.影響力の考察 ■4.ゲイン・ロス効果からの観点  ■5.黒取り考察しても必ずしも吊られる訳ではない  ■6.確証...