前回の記事の続きです。1回目では、主にコミュニケーションとは何か?情報を共有し、意思疎通をすることの大切さが組織で成果をあげる事に重要だと書きました。
今回は更に村内を上手くマネジメントして、効率よく成果を上げる方法について触れて行きたいと思います。
■1.専門家(スペシャリスト)
専門家とは「特定の分野で優れた技能を持ったプロのこと」である。彼らに優秀なプレイヤーというのは、成果をあげるために何をすべきか自分で判断できるのである。
そんな彼らに今はいいから別の人を見て欲しいとか、余計なアドバイスをしたとする。
「余計な指示は相手の極端にモチベーションを奪い、成果を大きく下げる行為である」
求めるべきは、質の高い成果で良い。余計なアドバイス、的外れの指示をして自らの信用を落とし、相手のモチベーションを奪うくらいなら、村を勝たせる働きが出来てるか静かに見守るべきである。
特定の分野に優れた人材とは、自分で仕事の意味を考え、自分の能力を活かして村に勝たせる事に達成感を覚える人達である。そんな人間に余計な横槍は足を引っ張ってる以外の何物でもないのである。
■2.誇りと達成感
誇りとはプライドとも言います。プライドという言葉はマイナスイメージを持ってる人も多いでしょう。確かにプライドが高過ぎて、自分のミスを認められないような人は困ったものです。しかしプライドは適度には必要な物です。
プライドがなくて、自分の考察も意見も持たない人を本当に信用できますか?自分に出来る事を発揮し村に貢献しようとするのに、結局は自尊心(プライド)が必要で「自分はこういう事ができる」と村に貢献し、勝利への達成感を感じる事が重要です。
大事な事はこれを「邪魔するのではなく、リードすることである」
実力者に対して支配しようとする動きは必ず反感を買い、人のやる気を奪い、成果を下げる要因になります。「方向付けが重要となります」
例え話ですが、手順派と考察派が意見がぶつかったとします。この時にやるべき事は「手順では(考察では)こうだから従え」というのは、相手の仕事と能力をただ傷つけるだけです。プライドと達成感に大事にしてないので、マネジメントとしては大失敗です。
しかし、彼らが同陣営ならば「勝利という方向付け」に向かうべきです。目標とゴールは狼陣営の全滅と同じ筈なので、手順でケアしながら考察を活かして、村の一番勝てる方法を議論し合える筈です。それならば、相手の誇りと達成感を傷つけません。
マネジメントの中では、相手の専門性を活かしたい時、相手のプライドと達成感を大事にします。
自分の強みだけで話し、相手に余計な事を言いモチベーションを奪い、村を支配しようとする人物に気を付けて下さい。彼らは村全体で勝利という成果をあげるのに、邪魔な存在になるからです。
■3.強みと弱み
強みとは、他より秀でてる部分であり、集中して注ぎ込むべき部分の事である。弱みについては解消できる事に越した事はないが、「致命的なものでない限りは、無視するか後回ししても良いものの事である」
人それぞれ村に貢献の仕方があるのだから、相性の悪い人への考察を無理矢理出させたりしたところで、間違った判断をさせやすくしてしまう。自分の強みを理解してない人は、相性の悪い人へ得意分野以外の考察方法に手を出し、口を出し、村人同士すれ違う。
強みを理解してない人は、やってみたい事に挑戦してみれば良いし、理解している人がすべきなのは、他人の意見に突っ込みを入れる前に、「自分のすべき事に一点集中すべきである」
例え1日1人であったとしても、複数人がそれぞれの考察を持ち合ってお互いの強みを生かせる組織であれば、その時点で狼の勝てる見込みはかなり薄いだろう。
そして結局相手の弱みに必要以上にダメ出しや意見をぶつけた所で、相手のパフォーマンスが向上する訳ではない。致命的なミスに繋がる時には、相手の弱みを指摘し強い部分で勝負させる方向に持って行く必要があるだろう。
ミスを責めて反省するのは、本人がすれば良いし、改善ポイントはそれこそエピローグでも話せば良い内容である事が多く、余計な一言で反感を買う行為は成果をあげる上で邪魔でしかない
■4.真摯さ
マネジメントの世界でよく使われる言葉だが
「何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持ってはいけない」
仕事の能力より人を重視することは堕落である。
その人が知識があって聡明であって、どれだけ仕事が出来る人であったとしても、真摯さに欠ける人は、人を破壊するから。
よくコミュニケーション能力なんかなくても、仕事が出来て優秀であれば良い。という意見もあるが、下っ端であればその意見は一理あると思うが、マネージャーは無理だという事である。
人を重視するという事は、気に入った人間は頑張っているからといって村内で間違った事を言い続けても評価し、慣れあいは人を重視し過ぎであり志を低くする。
気に入らない人間は、仕事を評価せず、〇〇くんは仕事ができないからな~といってレッテルを貼り、人を破壊するし、村を滅ぼす。仕事にしても、仕事の内容が正しくない事について触れるべきで、誰が正しいか悪いのか考える職場は間違いなく離職率が高い。
占い真贋も正しい判断に繋がる考察を評価すべきで、誰の考察が良かった、悪かったかではない(すぐにそういう評価をしたがるが)
気に入った人のだけの考察を見て、気に入らない人の考察を否定してたらいけないという事。気に入らない人は破壊され、他の人は考察を出すのに萎縮させ、気に入った人の正しくない事に見向きもせず滅ぼしかない。
何が正しい考察か、良い考察か出しあえる環境が良い成果を生み出すのである。
正直な事、高潔な事、信念を持ってブレない姿勢こそが真摯さである。
村であれば要素の正しさの追求。狼であれば心理戦の駆け引きの追求。どちらにせよこういったところでの真摯さが全体に良い影響をもたらすのである。
■5.自分をマネジメントする
「強みを生かすということは行動することである」
良い組織であるためには、まず自分が強みを理解し行動に移す必要がある。
会社であるならば、会社のリーダーが良い上司でなければ、その会社は成功しない。コミュニケーションを怠ってたり、マネジメントの部分で目に付く部分があるのならば、上司をマネジメントして正しい方向に向けさせる必要があるだろう。
人狼でも、村全体を成果をあげるために、マネジメントをすることは、自分のためになるからだ。
村であるなら、誰の考察にチャレンジできるか?自分が率先して村に貢献できることを探し行動にする。...でなければ、誰が自分の意見を聞き、説得など出来るのだろうか?
そして弱みである事には致命傷(村が滅ぼす事)でなければ、触れなくても良い事である。モチベーションを下げる必要がないからだ。
プライドがなく、何をやったら良いのかわからない相手には指示出しも有効だと思うが、自分の強みがわかってて、モチベーションもある村人には「成果を求めれば良い」
自分の弱みさえ知ってれば、専門外の知識で、余計な口出しをせずに相手に成果を求める事が出来るため、相手のモチベーションを下げる事なく任せる事ができるので、相手のモチベーションがあがり高い成果を得られやすくなる。(逆に相手には無理でも自分には簡単な事だってある)
「得意な事は率先して行動し、不得意な事は任せる」ことが成果をあげることで重要。しかしながら、多くの人は自分の強みや弱みを理解しようとせず、自分で何がなんでも動かそうとして、不得意な部分で失敗しがちである。
例えば単体Aの事が苦手(弱み)ならば、占い師Aなど得意な部分に方向転換する方が、村への貢献度は高くなるのだが、それを理解してない人は、他の村人に単体Aの要素の噛みついてしまい村を破壊してしまうのだ。
■6.まとめ
ドラッカーのマネジメントについて全部を紹介しきれたとは到底思ってないが、より詳しく知りたい人は、実際に本を買ってみても良いだろう。もしドラなら一時期大量に売れた分、中古で簡単に安く手に入るだろう。
今回は心理の話ではなく、経営論の話になったのは、この経営論が人の集まりに対して有効であり、人狼ゲームも15人との人とのゲームだからです。
村を小さな社会と捉え、人と関わっていく上で成果をより大きくする、勝率を高くすることに対して一定の効果とヒントがあるからです。
もし、過去を振り返ってみて、損な行動だったなと思う事があれば、実践してみてください。それではまた
最終更新日:2022/07/04